先に要点：どちらもミツバチと関わりのある産品ですが、マヌカハニーは「花の蜜由来のはちみつ」、プロポリスは「樹脂などを集めた巣材由来の成分」と原料が異なります。マヌカハニーはUMF™/MGOなどの品質指標が整備され、プロポリスは抽出タイプや含有量を確認するのが基本です。はちみつは1歳未満の乳児には与えないなど、安全面の注意も必ず押さえましょう。本文では「定義→表示→形状→選び方→注意点」の順に、目的に合わせた使い分けをやさしく整理します。
違いを一目で：起源・原料・形状・表示・注意点の比較
| 項目 | マヌカハニー | プロポリス |
|---|---|---|
| 起源・原料 | ニュージーランドのマヌカ（Leptospermum scoparium）の花蜜由来のはちみつ | ミツバチが植物の樹脂などを集め、蜜ろう等と混ぜた巣の封止材 |
| 主な形状 | 瓶入りのはちみつ（食用） | 抽出液（アルコール／グリセリン等）、スプレー、カプセルなど |
| 表示・規格の目安 | UMF™/MGOなどの品質・含有量表示、モノフローラル／マルチフローラルの区別 | 抽出溶媒・原料原産国・含有量表示など |
| 風味の傾向 | 濃密で個性のある香り・コク | 樹脂様で独特の風味（好みが分かれやすい） |
| 注意点 | 1歳未満の乳児には与えない | 体質によりアレルギー様症状に注意。初めは少量から様子を見る |
出典の要点：マヌカハニーの定義・基準（NZ政府MPI）、UMF™とMGOの役割（UMFHA）、乳児へのはちみつの注意（厚労省／消費者庁）、プロポリスの成分と変動性（学術レビュー）。
マヌカハニーの基礎｜定義・表示（UMF/MGO）・選び方
マヌカハニーとは
マヌカハニーは、ミツバチがマヌカ（Leptospermum scoparium）の花の蜜を集めてつくるはちみつ。ニュージーランドでは科学的な定義と試験項目が整備され、モノフローラル／マルチフローラルの区別も運用されています。真贋や表示を守るため、当局（MPI）が検査要件を公開しています。
UMF™とMGOの見方
- UMF™（Unique Mānuka Factor）：第三者機関が関与する品質・真正性の包括的な指標。複数のマーカー（例：DHA、レプトスペリン、MGOなど）を組み合わせて確認します。
- MGO：はちみつ中のメチルグリオキサール（mg/kg）の指標。表示は濃度の目安で、UMF™とは役割が異なります。
なお、MGOはネクター由来のDHAが熟成過程で変化して形成されることが知られています（学習用の基礎知識として）。
選ぶときのチェックポイント
- UMF™値またはMGO値、原産国表示・ロット情報、モノ/マルチの別が明確か。
- 信頼できる販売チャネル（製造者情報、問い合わせ先、保管条件の記載）。
- 味・用途・予算に合わせて、少量サイズから試すのも一案。
プロポリスの基礎｜定義・抽出タイプ・留意点
プロポリスとは
プロポリスは、ミツバチが植物の樹脂などを集め、蜜ろう等と混ぜてつくる巣の封止材（Bee glue）。構成は産地や樹種、季節などで大きく変動し、一般に樹脂・蜜ろう・精油・花粉・フラボノイド等を含む複合物として記述されています。
形状と抽出タイプ
- アルコール抽出：樹脂様成分を抽出しやすい一方、アルコールに敏感な人は非アルコール（グリセリン等）抽出の選択肢もあります。
- 形状：液体エキス、スプレー、カプセルなど。ラベルに抽出溶媒・原料原産国・含有量の目安が示されます。
留意点（安全面）
体質によりアレルギー様症状が報告されています。はじめて利用するときは少量から、体調や表示を確認しましょう。妊娠・授乳中や治療中の方は、個別事情に応じて医療専門家に相談する方法が安心です。
どう使い分ける？ 目的・シーン別の考え方
味わって取り入れたい：パンやヨーグルトにはちみつ（マヌカ）として。
携帯性を重視：持ち運びやすさを重視するならプロポリスの抽出液・スプレー等の形状を。
表示で選ぶ：マヌカはUMF™/MGO・原産国、プロポリスは抽出溶媒・含有量・原料情報を確認。
併用は？：食品・健康食品としてラベルの用量・注意事項を守る前提で検討します（体質に留意）。
※本記事は特定の効果効能を断定しません。気になる症状がある場合は受診等を検討してください。
購入時チェックリストと保管のコツ
共通のチェック
- 販売者・製造者・ロット情報・問い合わせ先が明確。
- 公式サイトや公的機関の表示ルールに沿った情報提供がある。
マヌカハニーで見るポイント
- UMF™値またはMGO値の根拠（認証マーク、有効期限、試験ロット）。
- モノフローラル／マルチフローラルの区別。
プロポリスで見るポイント
- 抽出溶媒（アルコール／グリセリン等）と含有量表記の見方。
- 原料の産地・樹脂タイプが分かると選びやすい。
保管のコツ
- はちみつは直射日光を避け、フタをしっかり閉めて保管（結晶化は品質劣化を示すとは限らず、温度で戻る場合があります）。
- プロポリスは表示の保管指示に従い、異変を感じたら使用を中止。
とくに大切な注意
1歳未満の乳児には、はちみつ・はちみつ加工品を与えない（乳児ボツリヌス症の予防）。家庭内の共有食品でも、うっかり与えないようラベルや保管場所に注意しましょう。
Q&Aで確認｜よくある疑問
- Q. 「UMF™」と「MGO」はどちらを見ればいい？
- A. 役割が異なります。UMF™は包括的な品質・真正性の枠組み、MGOは濃度（mg/kg）の目安です。両方の情報を参考に、用途と予算で選ぶと迷いにくいです。
- Q. モノフローラルとマルチフローラルの違いは？
- A. モノフローラルは主としてマヌカの蜜、マルチフローラルは複数の蜜源が混ざるタイプで、ニュージーランド当局の科学的要件に基づく区別があります。
- Q. プロポリスの味が強いのはなぜ？
- A. 原料が植物の樹脂で、採取する樹種や季節・地域により組成が変わるため、風味にも幅があります。
- Q. 子どもに与えても大丈夫？
- A. はちみつは1歳未満は不可、1歳以上でも量や体調に注意。プロポリスは体質によってはアレルギー様症状が報告されるため、まずは少量から・表示を確認してください。
まとめ｜両者の「ちがい」と「選び方」
- マヌカハニー＝花蜜由来のはちみつ。UMF™/MGOなどの表示を手がかりに選ぶ。
- プロポリス＝樹脂由来の巣材。抽出溶媒・含有量・原料情報を確認して選ぶ。
- どちらも片方を否定せず、目的・味・携帯性・表示の読みやすさであなたに合う選び方を。
- 安全面では、はちみつは1歳未満NG、アレルギー体質は慎重に。迷うときは専門家へ。
※本記事は一般的な情報提供を目的とし、個々の効果効能を断定しません。摂取・使用は各商品の表示と体調に応じてご判断ください。確実な情報が確認できない事項は記載していません。
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