本記事は、公式・公的情報(県・漁協など)を中心に、初めての方にもわかりやすい言葉と図表でまとめています。数字や期間は毎年の海況やルールで変わることがあるため、最新の公式情報の確認もあわせておすすめします。
基本の違い|雌雄・呼び名・印象をサクッと整理
ズワイガニ(オス)…各地で「越前がに(福井)」「松葉がに(山陰)」「加能ガニ(石川)」などの地域ブランド名があります。
セイコガニ(メス)…呼び名は地域差があり、石川では香箱ガニ、福井ではせいこがに、鳥取では親ガニ、京都丹後ではコッペガニと呼ばれます。
地域 | オスの呼称(ブランド) | メスの呼称 |
---|---|---|
福井 | 越前がに | せいこがに |
石川 | 加能ガニ | 香箱ガニ |
鳥取(山陰) | 松葉がに | 親ガニ |
京都(丹後) | (間人ガニ・舞鶴かになど港名ブランド) | コッペガニ(セコガニ) |
上の呼称はいずれも同じズワイガニを雌雄や産地・港で呼び分けたものです(商標・ブランド制度やタグの運用は各地域で異なります)。
サイズと味の違い|身のボリュームか、内子・外子か
サイズ感:メス(セイコガニ)はオスに比べて一回り小ぶり。そのぶん、内子(卵巣)と外子(抱卵)が楽しめるのが魅力です。オスは脚の身が太く、可食部が多いのが特徴です。
部位の違い:内子は甲羅の内側にあるオレンジ色の卵巣、外子は腹側(ふんどしの内側)に付いた粒状の卵。食感や風味が異なるため、甲羅盛りや丼など、メスならではの食べ方が親しまれています。
雌雄の見分け方:お腹のふんどし(腹節)の形で見分けるのが基本。オスは三角形、メスは丸く幅広です。
旬と漁期|解禁は11/6、メスは短期(県ごとの目安つき)
日本海側のズワイガニ漁は、各地で11月6日解禁が目安。オスは翌年3月20日ごろまで、メスは資源保護のため12月末ごろまでと定める自治体が多いです(年により変更される場合があります)。
地域 | オス(ズワイガニ) | メス(セイコ/香箱/親ガニ) |
---|---|---|
福井 | 11/6〜翌3/20 | 11/6〜12/31 |
石川 | 11/6〜翌3/20 | 11/6〜12/29 |
鳥取(山陰) | 11/6〜翌3/20(若松葉は2月) | おおむね11〜12月 |
※各県の発表や漁協の取り決めで変わることがあります。最新シーズンは、各自治体・漁協の公式発表をご確認ください。
値段の考え方|相場が動く理由と買い時のヒント
- サイズ・重量:大ぶり(甲幅・重量)が上がるほど高くなりやすい。
- ブランドタグ:越前がに/松葉がに/加能ガニなど、産地タグやGI・ご当地ブランド制度の有無で価格帯が変わります。
- 時期・入荷:年末は需要で上がりがち。時化(しけ)で入荷が減ると相場が動きやすい。
- 加工状態:活/生/ボイルや、脚の本数・欠け・選別規格でも差がつきます。
価格は市場環境で日々変動します。目安の把握に加え、用途(そのまま食べる/料理に使う)と人数を決めてから選ぶと失敗が減ります。
ブランドと地域名の関係|「越前」「松葉」「加能」は何が違う?
いずれもオスのズワイガニに付けられる地域ブランド名(または地域呼称)です。各地で産地タグを付して流通し、福井の「越前がに」はGI(地理的表示)保護制度にも登録されています。
名称 | 主な地域 | 対象 |
---|---|---|
越前がに | 福井県 | オスのズワイガニ(雌は「せいこがに」) |
松葉がに | 鳥取県ほか山陰 | オスのズワイガニ(雌は「親ガニ」) |
加能ガニ | 石川県 | オスのズワイガニ(雌は「香箱ガニ」) |
それぞれの港名ブランド(例:京都・間人ガニ、舞鶴かになど)が設定される場合もあります。
見分け方と買い方のコツ|タグ・雌雄・状態チェック
- 産地タグ:タグの有無や刻印で産地・ブランドを確認(色や表示は地域ごとに異なります)。
- 雌雄の見分け:腹側のふんどしで判別。オスは三角形、メスは丸く幅広。
- 状態:活・生・ボイルの別、脚の欠け、身入り(季節で変動)、配送温度や到着日の予定をチェック。
- 用途から選ぶ:たっぷり身を楽しむならオス、内子・外子や甲羅盛りを楽しむならメスが選びやすいです。
食べ方とおすすめ料理|“らしさ”を活かす
メス(セイコ/香箱/親ガニ)は、甲羅に内子・外子・カニ味噌・身を合わせる甲羅盛りや、地域のカニ面、丼ものなどで凝縮感を楽しむ人が多いです。
オス(ズワイガニ)は、ゆで・焼き・刺しなどで脚の身の甘みと食べ応えを活かしやすいです。いずれも加熱・保存方法を守り、無理のない範囲で安全に楽しみましょう。
各県の漁期早見表(目安)
県 | オス(ズワイガニ) | メス(セイコ/香箱/親ガニ) | 備考 |
---|---|---|---|
福井 | 11/6〜翌3/20 | 11/6〜12/31 | 越前がにはGI登録。水ガニ(脱皮直後の雄)は2/19〜3/20。 |
石川 | 11/6〜翌3/20 | 11/6〜12/29 | 香箱は資源保護で短期。各漁協で案内あり。 |
鳥取 | 11/6〜翌3/20(若松葉:2月) | おおむね11〜12月 | 呼称(雄=松葉、雌=親ガニ)や資源管理の解説ページが充実。 |
京都(参考) | (港名ブランド:間人・舞鶴など) | 11/6〜12/31(約2か月) | メスはコッペ/セコ。公式解説ページあり。 |
※上表は公式・公的情報に基づく目安です。年や海況で変更されることがあるため、今季は各県・漁協の最新発表をご確認ください。
よくある質問(FAQ)
- Q. 「ズワイガニとセイコガニの違い」は何ですか?
- A. 同じズワイガニの雌雄の違いです。メスは地域で香箱・親・コッペなどと呼ばれ、内子・外子が特徴。オスは身のボリュームが魅力です。
- Q. 旬はいつですか?
- A. 解禁は11/6が目安。メスは12月末ごろまでの短期、オスは翌3/20ごろまでという自治体が多いです。
- Q. 値段はどちらが高いですか?
- A. 一概には言えません。サイズ・ブランドタグ・時期・入荷で変動します。年末は上がりやすい傾向がみられます。
- Q. 見分け方のコツは?
- A. 腹側のふんどしを確認。オス=三角、メス=丸が基本です。
参考・出典(主要ソース)
- 福井県・観光/県庁・各市町の越前がに関連ページ(解禁日・雌雄の期間・GIの説明)
- 石川県 JFいしかわ「加能ガニ/香箱ガニ」関連ページ(対象・漁期)
- 鳥取県公式「松葉がに」解説(呼称と旬)および資源管理ページ(漁期)
- 京都府・各港の案内(間人ガニ・舞鶴かに、コッペ/セコの呼称と漁期)
- 漁協や市場の解説(“ふんどし”形状による雌雄の見分け)
上記以外の民間サイトは、補足の背景説明として参照し、本文の根拠は原則として公的情報・漁協情報を優先しています。
まとめ|「身のボリューム」か「内子・外子」か、旬を逃さず楽しむ
「ズワイガニとセイコガニの違い」は、雌雄・サイズ・味の楽しみ方・漁期の4点が軸。オス=身の食べ応え、メス=内子・外子と短い旬という特徴を知っておくと、用途や予算に合わせて選びやすくなります。ブランドタグや公式の漁期も確認しながら、季節の恵みをていねいに楽しみましょう。
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